抄録
人工物である補綴物にも耐用期間という考え方は必要であろう.それに影響するリスクとして常に補綴物を刺激する力の影響は無視できない.補綴物だからこそ天然歯以上に力の影響を無視できない,と言い換えた方が良いかもしれない.欠損の負担を補う欠損補綴になれば尚更である.
しかし臨床でその実態を把握する事は容易ではなく,リスクアセスメントが始まったばかりの時期ではないかと感じている.
今回咬合力の影響について症例観察を行った.かなりこじつけ的で推測の域を出ない内容となるが,リスクの特定に少しでも役に立てばと考えている.