抄録
適切な前処置で機能や周囲組織の健全な環境を得ることは審美補綴の長期的な安定に寄与する.そのためには,正確な検査•診断が必要とされる.患者の希望とともに各種のクライテリアを遵守して治療のエンドポイントを設定することが肝要である.検査から抽出された問題点とエンドポイントを結ぶものが前処置である.複雑に存在する問題点をカテゴリーごとに分類することで エンドポイントに近づけるための前処置を導くことが容易となる.また,より複雑で高度な術式を要する場合,インターディシプリナリーアプローチが有効な手段となる.適切な前処置の選択と整理されたアプローチが最大の審美的効果を生む.