2016 年 8 巻 3 号 p. 253-258
前歯部のインプラント治療を行う場合,ソケットプリザベーションやインプラントの即時・早期埋入などの術式を選択することが推奨されているが,抜歯後の顎堤変化は個人差が大きく,その有効性についてはいまだ不明な点が多い.また,審美的補綴治療を実現するためには,硬組織や軟組織の再建が必要となることが多いものの,どの症例にどのような術式を選択すべきか,またどのような材料を選択すべきかなど,基準が明確でないのが現状である.本稿では,それぞれの術式が有効なものなのかを考察するとともに,適応基準などについてエビデンスを紐解きながら考えてみたい.