2016 年 8 巻 3 号 p. 321-324
症例の概要:患者は64歳男性で,咀嚼困難を主訴に来院した.初診時に上下顎義歯は装着しておらず,旧義歯は紛失していた.上下顎ともに大きな骨隆起を認めた.多数歯欠損による咀嚼障害と診断し,骨隆起切除を行った後に上顎部分床義歯,下顎全部床義歯を製作した.
考察:骨隆起を有する患者に義歯を製作する場合,辺縁封鎖の困難や大きな咬合力が問題となることが多いが,本症例では骨隆起切除を行い,補強構造を埋入した義歯を製作することにより義歯の良好な経過を得ることができた.
結論:補綴前処置として骨隆起の切除を行い適切な床縁を設定した義歯を製作することにより患者のQOLおよび全身状態の改善に寄与した.