日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
上顎前歯部審美障害ならびに両側遊離端欠損による咀嚼障害に対して補綴処置を行った症例
髙井 智之
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2016 年 8 巻 3 号 p. 317-320

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抄録

症例の概要:患者は66歳女性.|3 補綴装置の脱離を主訴として来院した.その他に,上顎前歯部から小臼歯部の補綴装置不適合による審美障害,また,上顎両側遊離端欠損による咀嚼障害を認めた.上顎前歯部はフルジルコニアクラウン,上顎両側遊離端欠損部はコーヌステレスコープ義歯により補綴した.装着後,|2 は歯根破折により抜歯となり陶材焼付鋳造冠のブリッジに変更した.

考察:歯根破折により抜歯となったが,審美性に優れた歯冠修復と欠損補綴処置を併用したことにより良好な経過を得たものと考える.

結論:フルジルコニアクラウンとコーヌステレスコープ義歯による補綴治療は,審美的,機能的な問題を解決するのに有効な治療方法である.

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© 2016 公益社団法人日本補綴歯科学会
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