2016 年 8 巻 4 号 p. 327-339
歯科金属アレルギーは口腔内の金属補綴修復物に含まれる金属元素をアレルゲンとしてアレルギー反応が感作,惹起され,局所性,全身性の接触皮膚炎を病態とする疾患として理解されている.歯科金属アレルギーと関連疾患に対する,検査,診査,診断,治療法などに関する診療ガイドラインは,現在のところ策定されていない.本総説は歯科金属アレルギー診療ガイドライン策定に必要な臨床研究,基礎研究や,歯科金属アレルギーに関する臨床について,現状と展望を解説するものである.