日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
◆企画:第124回学術大会/イブニングセッション6 「咬合支持の有無と脳機能研究の展開」
脳梗塞モデル動物を用いた咬合・咀嚼機能と脳機能との関係
川西 克弥佐々木 みづほ豊下 祥史會田 英紀越野 寿
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 8 巻 4 号 p. 358-363

詳細
抄録

 咬合・咀嚼機能と高次脳機能との間には密接な関連があり,学習・記憶機能の発達やその維持に咬合・咀嚼が有効であることが多数報告されている.一方,脳血管障害患者では身体的機能や高次脳機能などの障害のみならず,円滑な摂食嚥下運動が妨げられ,咀嚼運動による末梢器官から脳への刺激低下は,後遺障害からの回復過程に何らかの影響を及ぼすと考えられる.臨床現場では,後遺障害からの改善に早期の経口摂食の有効性が報告され,咬合・咀嚼機能の有用性は大いに期待できる.本稿では,脳梗塞モデル動物における咬合・咀嚼機能と脳機能との関係について研究した内容を紹介するとともに,今後の展望について述べる.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top