超高齢社会における患者の多様化,疾患の複雑化,多職種連携による幅広い医療・歯科医療の展開などを背景に,国民の医療・歯科医療に対する期待は増大してきている.現在,日本の社会では,歯科医療界には質の高い診療提供が求められているとともに,その診療を担う人材育成の質保証の制度化が必須となっている.本稿では,わが国における歯科医学教育,すなわち,卒前歯科医学教育,卒後歯科医学教育の質保証の観点をもとに,歯科医師の継続専門研修制度および専門医制度のあり方,特に,日本歯科補綴学会が担う補綴歯科専門医研修プログラムのあり方を,他国の事例として英国の歯科医学教育管理制度を参考にして論じてみたい.