日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咬合治療と咀嚼訓練により咀嚼障害と習慣性顎関節脱臼の改善がみられた症例
田中 利佳
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2017 年 9 巻 2 号 p. 153-156

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抄録

症例の概要:69歳の女性.右側の習慣性顎関節脱臼と咬合異常による咀嚼困難を主訴に来院した.オクルーザルスプリントを装着して咬合を改善し,左側下顎頭の運動制限を改善する目的で右側での咀嚼訓練を行った結果,咀嚼障害および脱臼の改善が認められたため,同じ顎位で暫間義歯に移行し最終補綴を行った.

考察:脱臼の原因が反対側下顎頭の運動制限と考えられ,脱臼側での咀嚼障害を有する症例において,脱臼側での咀嚼訓練は有効な治療法の一つと考えられる.

結論:咀嚼障害を伴う習慣性顎関節脱臼を有する症例に対して,咬合治療と咀嚼訓練を併用することにより,症状が改善し,良好な治療結果と患者の満足を得ることができた.

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© 2017 公益社団法人日本補綴歯科学会
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