日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第2 回補綴歯科臨床研鑽会プロソ’16 /シンポジウム1 「パーシャルデンチャーによる機能回復」
歯の喪失ならびに口腔機能低下が高齢者の健康状態に及ぼす影響
鳥巣 哲朗
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2017 年 9 巻 4 号 p. 285-290

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抄録

 19施設の協力のもと,義歯の装着・使用が高齢者の栄養摂取・健康状態に及ぼす影響を明らかにすることを目的に378名を対象に調査を行った.歯の喪失や咬合支持の減少により絶対的な咀嚼能力は低下するが,義歯を使用し食形態等を適応させることにより全身的な健康状態の一部の指標に関して,維持・改善に対応できる可能性が示唆された.

 欠損の進行様式では,片側大臼歯が欠損になると反対側大臼歯に欠損のリスクが高まり,次に小臼歯部が喪失するリスクが高まることが示された.義歯等で補綴処置を行うことにより反対側大臼歯に負担をかけない状況を確保し,残存歯に負担をかけない適切な補綴装置の提供の重要性が示唆された.

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© 2017 公益社団法人日本補綴歯科学会
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