2017 年 9 巻 4 号 p. 383-386
症例の概要:患者は55歳女性.両側の顎下部,オトガイ部の腫脹にて来科.上下顎の咀嚼障害となる重度周囲炎及びインプラント周囲炎と診断された.下顎の残存歯及びインプラントは保存不可能で抜歯・抜去を行った.その後,バーアタッチメントのインプラントオーバーデンチャーとした.はじめ,自覚症状は下顎のみであったため,上顎の治療は望まなかった.下顎の治療の後,上顎は総義歯となった.
考察:患者は治療に対し,審美障害・機能障害に不安があった.下顎の優先的な治療によって,治療への不安は解消され,上顎の治療を行うことができた.
結論:上顎総義歯,下顎インプラントオーバーデンチャーとすることで良好な結果となった.