日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
不良な補綴装置が装着された患者に対して咬合挙上と咬合再構成を行った症例
水野 秀治
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2017 年 9 巻 4 号 p. 387-390

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抄録

症例の概要:患者は62歳女性,4|の腫脹,咬合痛を主訴に来院した.4|には歯根破折を認め,全顎にわたり不良な補綴装置が装着されていた.不良な補綴装置を除去し,プロビジョナルレストレーションを用いて咬合を挙上し,根管治療,歯周治療を行った後に,最終補綴を行ったことで良好な経過を得ることができた.

考察:補綴治療を行う前に歯冠長延長術を行い歯周環境の改善を図り,プロビジョナルレストレーションを用いて咬合の不調和を改善したことで,長期的な維持が期待できる補綴治療を行うことができたと考えられる.

結論:補綴治療を行った歯を長期的に維持,安定させるためには清掃しやすい歯周環境を確立し,清掃しやすい補綴装置を装着することと,適切に咬合をコントロールすることが重要である.

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© 2017 公益社団法人日本補綴歯科学会
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