2017 年 9 巻 4 号 p. 403-406
症例の概要:患者は30歳女性.上顎右側中切歯に生じた二次う蝕の治療についてのセカンドオピニオンを主訴に来院した.上顎右側中切歯にレジン前装冠の不適合と歯肉縁下に及ぶ二次う蝕を認めた.補綴前処置として矯正的な歯根の挺出,左右の歯肉縁の対称性と生物学的幅径の改善を目的とした歯周外科を行い,暫間補綴装置を装着した.補綴装置はジルコニアフレームを用いたオールセラミッククラウンを装着した.
考察:暫間補綴装置の形態を調整し,補綴装置に反映したことによって上顎右側中切歯の審美性が改善したと考えられる.
結論:上顎右側中切歯の歯肉縁下う蝕に対して,補綴前処置を行った後にオールセラミッククラウンを装着し,審美障害を改善することができた.