日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a3
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玄米粉(リブレフラワー)の添加が蒸しパンの性状および食味におよぼす影響
中里 トシ子*川瀬 真貴子岡崎 有希子
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抄録
目的:近年、健康食品への関心が高まっている。玄米は小麦粉に比べ良質の蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など健康保持に役立つ多くの栄養成分をバランス良く含んでおり、成人病予防に有効とされている。そこで、今回は玄米粉(リブレフラワー)を小麦粉の一部と置換した蒸しパンを試作し、その性状および食味におよぼす影響について検討した。 方法:試料はホロニックテクノロジーによって高熱焙煎し、微粉末化した玄米粉(リブレフラワー)を用いた。材料の配合は、粉{強力粉60g+(薄力粉+玄米粉)140g}200gに対し、砂糖20g、塩1g、植物油20g、ドライイースト4g、ぬるま湯100ml、B.P 3gとし、粉に対する玄米粉の置換率は0%、10%、20%とし薄力粉と置換した。生地の調製はレディースニーダーで行った。型入れ後二次発酵し、蒸し器で加熱した。蒸し上がり後、常法により、比容積、水分量、色調を測定し、クリープメーターにより、硬さ応力、凝集性を測定した。また、官能検査及び写真撮影を行い、パン生地の膨化率を測定した。 結果:玄米粉の置換率20%の生地の膨化率が低かった。比容積および凝集性は、玄米粉の置換率0%と10%の蒸しパンとの間では有意差がなく、置換率20%の蒸しパンは低い値を示した。水分量は玄米粉の置換率0%の蒸しパンが最も高い値を示した。硬さ応力は玄米粉の置換率増加に伴い、高い値を示した。断面色調のL*値は玄米粉の置換率増加に伴い低い値を示した。a*値、b*値はいずれも玄米粉の置換率増加に伴い値が高くなった。官能検査の結果は総合評価において玄米粉の置換率10%の蒸しパンが最も好まれた。
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© 2003日本調理科学会
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