日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a4
会議情報

米粉パン製造における電解生成水の効果
*綿貫 亜紀原 安夫新井 映子
著者情報
キーワード: パン, 米粉, 電解生成水
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】さきに1)2),水道水を電気分解して得た電解生成水を直捏法および中種法による製パンに使用すると,水道水を使用したものとは異なる特性を持つ食パンが得られることを報告した.本研究では,近年,米の消費拡大のために学校給食等に普及し始めた米粉パンに着目し,電解生成水を米粉パンの製造に使用した場合の有効性を検討することとした.
【方法】パン材料にはグルテン添加微粉砕米粉,食塩,上白糖,ショートニング,ドライイーストを使用し,供試水には木次町水道水(pH 6.4)と,水道水をホシザキ電機(株)製電解水生成装置HOX-40Aにて電気分解して得られた酸性電解水(pH 3.5)およびアルカリ性電解水(pH 10.0)を使用した.製パン方法は,直捏法によった.製品の特性評価は,色,比容積, すだちの画像解析,テクスチャーおよび官能検査によった.
【結果】酸性電解水およびアルカリ性電解水を使用すると,水道水を使用した場合よりもやわらかく,かつ弾力のあるパンとなった.官能検査において,電解生成水を使用したパンは,水道水を使用したパンよりもクラムのきめが細かく,総合的に好まれる傾向を示した.比容積は,アルカリ性電解水を使用した場合,やや大となった.以上の結果より,電解生成水の使用は,米粉パンの特性改変に寄与する可能性が示唆された.
1)Onishi et al.:Food Sci.Technol.Res., 5,388(1999).2)綿貫ほか 日本調理科学会平成14年度大会講演要旨集 p.49

著者関連情報
© 2003日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top