日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a7
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小豆種皮粉添加がマフィンの性状及び食味特性に及ぼす影響
*木村 友子佐々木 弘子亀田 清菅原 龍幸
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抄録
【目的】漉し餡の加工過程で多量の小豆種皮が産業廃棄物として処理されているが,高繊維材であり抗酸化力も期待されることから有効利用する目的で、小豆種皮を加工し乾燥粉末(素材A)とし、素材A添加アメリカマフィンを試作した。また、保水剤として蒟蒻ゲルを添加し、マフィンの品質に及ぼす影響を検討した。【方法】小豆種皮粉は小豆種皮を常圧乾燥機にて65℃、24時間で乾燥後,粉砕機にて製粉し粒度200μm以下に製粉した(素材A)。また素材Aの除臭を目的に、超音波15分間洗浄処理を施し、素材B(ペースト状)とした。マフィンの調製は薄力粉100gバター30g、砂糖28g、卵30g、スキムミルク8g、蒸留水71g、B.P3g基本割合とし、また薄力粉の10_から_30%相当の素材A,B及び蒟蒻ゲル4_から_12%で置換した各種生地を電動ミキサー(愛工舎製)で調製し,マフィン型に60gずつ流し入れガスオーブンを用い170℃で20分間焙焼した。素材A,Bの一般成分、食物繊維(プロスキー変法)、マフィンの色調,生地の比重、比容積,重量減少率、物理的学特性(クリープメータ)、走査型電子顕微鏡の組織構造観察及び官能評価を行った。【結果】素材Aはマフィンの副材料として20%まで薄力粉と置換できた。この製品は無添加品に比べ、小豆色を呈し、比容積は若干減少し、破断応力値とテクスチャーの硬さが増し、凝集性が低下しパサつく食感を示した。また、食物繊維含量が増し、組織観察は小豆皮片を認め構造が緻密になった。素材AとBの20%添加品の比較ではB製品の方が軟らかく嗜好的に好まれた。素材A20%添加品での蒟蒻ゲルの最適添加量は6%で、素材A20%添加品に比べ、弾力性が増し食味も優れ、3日間の保存試験では保水性を認め、品質変化を抑制することが示唆された。
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© 2003日本調理科学会
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