日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a6
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キヌア添加によるスポンジケーキの食味特性について
*大迫 早苗永島  伸浩
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抄録

〔目的〕 キヌアは中南米を原産とするアカザ科の1年草の植物で、種実はイネ科の穀類と比べてたんぱく質、脂質、ビタミン、無機質、食物繊維の含有量が多く含むことから最近注目されている食品素材である。また穀物アレルギー疾患に悩む人たちに有効であることが報告されている。そこで、キヌア粉の調理への利用域を広げるために小麦粉の一部をキヌア粉で代替としたスポンジケーキを調製し、物性の測定および官能検査を行い食味に及ぼす影響について検討した。〔方法〕 試料として大日本明治製糖_K.K._のキヌア粉末および焙煎粉末のものを使用した。小麦粉との代替率を10%_から_30%としてスポンジケーキを調製し、比容積、断面組織の観察、物性測定にはレオナー(山電製3305型)を用い、テクスチャー、破断特性、経時的変化について測定した。官能検査は評点法で行った。〔結果〕 キヌア粉末および焙煎粉末の添加量10%、20%と増加するにつれ比容積は大きくなる傾向を示したが、30%になると急激に小さくなった。硬さは30%で硬く、凝集性は小さくなった。断面組織の観察では特に変化は見られなかった。官能評価では外観、香り、味、総合評価においてキヌア粉の代替率が高くなるにつれて低い評価となった。評価を低くする大きな要因として特有の香りがきつくなり好まれなかった。その中で10%、20%添加したものは小麦粉で調製した試料にないキヌア粉独特のツブツブとした食感が好まれた。焙煎した粉末において顕著に認められた。

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© 2003日本調理科学会
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