日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-p1
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口頭発表
マイワシの保存過程における魚臭生成とみりん調理の効果
*我如古 菜月バドラ アヌラダ河辺 達也石田 丈博高村 仁知的場 輝佳
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キーワード: 魚臭, 調理, みりん
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抄録


【目的】マイワシは、n-3系高度不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を多く含む良質なタンパク質源である。しかし、その独特な生臭み「魚臭」が魚嫌いの理由となっている。魚臭を抑制する調理法にはさまざまなものが知られているが、その中でもみりん調理に効果があることが知られている。演者らはこれまで、本みりんに含まれるエタノールの共沸作用やエステル類のマスキング効果により、マイワシの魚臭が抑制されることを明らかにしてきた。本研究では、調理した後の保存過程におけるマイワシ魚臭の生成とみりん調理の効果について検討した。
【方法】購入直後のマイワシ可食部40gをミンチ状とし、水、13%エタノール、本みりん、煮切りみりんをそれぞれ6ml加えて成形した。これらを沸騰水中で煮た後、4℃、2日間保存した。保存した試料について、ヘッドスペースの揮発性成分を固相微量抽出(SPME)で捕集し、GC-MSおよびGC-オルファクトメトリーで解析した。
【結果】揮発性成分量はいずれの調理条件でも経時的に増加したが、各調味料間において差が認められた。魚臭に関与する揮発性成分のうち、Hexanalや(Z)-4-Heptenal、2,4-Heptadienalは加熱調理により生成量が抑えられる傾向にあった。また、2,3-Pentanedioneや1-Penten-3-olなどは調味料添加により生成が抑制された。

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© 2005日本調理科学会
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