日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 1D-a2
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口頭発表
女性における年齢および肥満と甘味嗜好性の関連性
*平田 庸子横山 誠西村 房雄山本 由喜子
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キーワード: 甘味味覚, 甘味食品, 女性, 肥満
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抄録

(目的)近年、肥満は食環境や生活スタイルの変化に伴い増加傾向にある。女性における肥満は40~50歳代で徐々に増加し、60歳代では30%を超えており、生活習慣病の発症が懸念される。本研究では、食物摂取に影響する食嗜好が肥満の一因となる可能性を考え、世代の異なる女性を対象に甘味に対する味覚嗜好性を調査し、肥満との関連性を検討した。さらに食物摂取の特徴を調査して、甘い食品の摂取量についても検討した。
(方法)大阪府在住の成人女性を調査対象とし、若・中年層(20~59歳)と高齢層(60歳以上)、肥満と非肥満に分類し、甘味嗜好性、食事栄養調査、身体性状を比較した。甘味嗜好性は、砂糖濃度の異なる6種類(2.5, 5.0, 7.5, 10.0, 12.5, 20.0 %, w/v)の砂糖水と紅茶を用いて官能検査を行い、5段階評価で調査した。食事栄養調査は7日間の自記式食事記録から栄養素等摂取量を調査し、さらに甘い食品を「高脂肪砂糖食品」, 「砂糖菓子」, 「果物」, 「砂糖(調味料)」, 「清涼飲料」, 「乳製品」に分類して摂取量を求めた。
(結果)若・中年層より高齢層で高濃度の砂糖溶液や紅茶に対する嗜好性が高かったが、肥満と甘味嗜好性との関連はみられなかった。甘い食品の摂取量は、高齢層は若・中年層よりも「砂糖菓子」, 「果物」, 「砂糖(調味料)」の摂取量が多かったが、逆に、「高脂肪砂糖食品」が少なかった。肥満との関連では、若・中年層で肥満者は非肥満者よりも「高脂肪砂糖食品」や 「砂糖菓子」の摂取量が多い傾向がみられた。
以上の結果から、女性の若・中年層および高齢層において、甘味嗜好性と肥満との関連性がみられなかったが、甘い食品の摂取量と肥満には弱い関連性が示された。
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© 2005日本調理科学会
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