日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: P-57
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ポスターセッション
短大生の食事習慣についての調査
-はし使いと食べ方について-
*弦間 夫佐江木内 清美斉藤 靖子
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キーワード: はし, 食育, 食事習慣
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抄録


【目的】適切な食習慣は健康な生活の源である。近年食育の重要性が再認識されているが、食習慣は、家庭や学校教育の場で時間をかけて培われるものであり、これらの場における食育が重要であると考えられる。家庭や学校でどの程度食育が行われているかを調べるため、箸使いを指標として調査を行い、考察した。
【方法】愛知県内の短期大学に在学する学生250名を対象とし、2004年2月に質問紙無記名自己記入法により箸使いを中心とする食事のしかた、一般的食習慣、食に対する価値観についてのアンケート調査を実施した。同時に、箸で大豆をはさんで20cm離れた別皿に移す作業を1分間行い、移動した大豆の数と箸の持ち方を観察した。
【結果】箸の持ち方は6パターンに類型化され、正確な持ち方ができた学生は60%であった。大豆の移動数は平均22個で、正しい箸使いができる群とできない群の移動数の差は1個であり、有意差は認められなかった。80%の学生が両親(うち母親59%)から箸使いを教えてもらったと答え、学校の先生と答えた学生は3%であった。持ち方を知らない学生は15%であった。また、44%の学生が食事のしかたについて注意された経験がなく、注意された経験がある学生の80%が両親(うち母親60%)からであり、学校の先生と答えた学生は2%であった。以上より、箸使いをはじめとする食事のしつけは主として家庭で母親が担っているが、希薄なケースも見られること、また、豆の移動数に差がないことから、箸が正しく持てなくてもその持ち方が習慣化して日常には支障がなくなっていることが明らかになり、幼少時からの教育が大切であることが示唆された。

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© 2005日本調理科学会
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