日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 1E-a1
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口頭発表
亜麻仁を用いた豆腐の調製条件とその品質
*筒井 京子續 順子
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抄録


[目的]n-3系脂肪酸は生活習慣病の予防や炎症抑制への有効性が明らかとなり、日本人の食事摂取基準2005年版には目標量(下限)が示され、一定量摂取することが望まれている。我々はこれまでにn-3系脂肪酸の摂取比率を高めるためにエゴマを材料に豆腐を調製し、調製過程で急激な酸化やn-6/n-3の変化は認められないことを見出した。今回は同様にn-3系脂肪酸の豊富な亜麻仁を出発材料として亜麻仁豆腐を調製した。磨砕、ろ過などの調製条件を検討しn-3系脂肪酸の給源として嗜好的にも満足出来る豆腐の調製を試みた。
[方法]亜麻仁(焙煎ゴールデン・カナダ産)を擂潰(ANS200P日陶科学)あるいは磨砕(ANM1000日陶科学)してペースト化して加水し、ろ過して得られた亜麻仁乳に本葛を加え、600wで20分間加熱して亜麻仁豆腐を調製した。豆腐の脂質量(CM改良抽出法)、脂肪酸量(メチルエステル化法)、酸化度(POV、COV)、色調(CR-300ミノルタ)、物性(CR-200Dサン科学)を測定し、併せて官能評価(評点法)を行い品質を調査した。
[結果]エゴマは磨砕操作により容易にペースト状になったが、亜麻仁は種皮が硬く同条件ではペースト化出来ず、擂潰後磨砕することによりペースト化した凝塊を得ることが出来た。さらに亜麻仁特有の苦味を低減させるためろ過条件の検討を行った。官能評価によりメッシュ60(<250μm)以上の細かいろ過膜を通すことにより苦味は大きく緩和された。調製した亜麻仁豆腐はa値3.4、b値27.9と薄茶色で、弾力と粘りがあり噛み応えのある製品となった。n-6/n-3は0.26と低く、調製過程による変化は認められなかった。又POV、COVは高めではあるが可食可能範囲内であった。

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© 2005日本調理科学会
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