日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a2
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口頭発表
玄米の炊飯に及ぼす加水温度の影響
*米山 陽子平尾 和子濱西 知子高橋 節子
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抄録


【目的】玄米飯ならびに玄米桜飯を家庭用炊飯器により、加水温度を変えて短時間で炊飯する方法を検討した。玄米は吸水率が低く浸漬が必要であるが、浸漬時間を短くする目的で玄米に熱湯を加えて炊飯する方法と水で1時間浸漬後炊飯する方法を比較した。また、玄米の種類ならびに加水温度の違いが物性および食味特性に及ぼす影響について検討した。
【方法】試料玄米は低アミロース米「たきたて」と「あきたこまち」の2種を用いた。玄米450gを洗米水切り後、National IH炊飯器 SR-A10Fに入れ熱湯を加え直ちに炊飯する場合(熱湯法)および水に1時間浸漬した後炊飯する場合(水浸漬法)の2種について比較した。加水量は1.8倍とし、桜飯の調味料は塩、醤油および酒を炊飯直前に加えた。飯の物性は改良型テンシプレッサーによる低・高圧縮2バイト法を用いて、集団粒法にて測定を行った。官能評価は加水温度の異なる玄米2種の飯および桜飯について評点法を用いて行った。
【結果】物性測定において、「あきたこまち」は熱湯法が水浸漬法に比べてこし・粘りがある飯となり、桜飯においては付着・粘りがある飯となった。「たきたて」は玄米飯、桜飯ともに加水温度による差は認められなかった。官能評価の結果から「たきたて」の玄米飯は光沢・色・粘り・のみこみやすさがあり、硬さがないと評価され、嗜好において光沢・色の項目で「あきたこまち」よりも好まれた。「たきたて」の桜飯では光沢・ねばり・のみこみやすさがあり、硬さがないと評価され、嗜好では光沢・味・硬さ・弾力・粘り・のみこみやすさおよび総合評価の7項目において好まれた。しかし、玄米飯、桜飯ともに熱湯法と水浸漬法の差は特性評価、嗜好ともに認められず、熱湯法による炊飯は時間短縮が可能と考えられた。

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