日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-a11
会議情報

口頭発表
豆腐添加がそばの物性に及ぼす影響
*魚住 惠
著者情報
キーワード: そば, 豆腐, 物性
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


目的:岩手県北地域には、砕いた豆腐を加えて打つ“そば切り”(以下“そば”と記す)が伝わっている。このそばには、現在一般的につなぎとして加えられている小麦粉ややまのいもといったものは入れられず、打つときに鶏卵が加えられることがあるが、なければ豆腐と熱湯だけで打たれるそばである。この豆腐の役割はつなぎと考えられるが、現在、豆腐をそばのつなぎとして用いる例は全国的にも珍しいものであり、実際の効果についての報告は見られない。そこで、豆腐がそばのつなぎとして果たす役割を調べることを目的として実験をおこなった。
方法:そば粉にペースト状にした木綿豆腐、豆乳、および豆腐とにがりを、それぞれの量を変えて水と共に添加し、容器法により水回しをおこない生地を調製した。生地を薄く延ばし、一定の厚さ、大きさに整え所定の時間茹で、流水で冷却した。生および加熱後の生地のテクスチャーを測定し、豆腐、豆乳、にがり、加熱時間が生地の物性におよぼす影響を調べた。
結果:豆腐および豆乳には加熱後のそばの硬さを増加させ、そばを切れにくくさせる効果が認められた。にがり添加量は、豆乳によるつなぎ効果に影響を与えた。茹で時間により硬さは減少した。豆腐および豆乳の添加は加熱後におけるそばの水の吸収に影響を与えた。

著者関連情報
© 2005日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top