日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-21
会議情報

ポスター発表
ピーマン果実の加熱による成分変化とピーマン果実を利用したおやつの試み
*鈴木 啓子森 眞弓荻野 亜紀子岸田 枝理子野村 知代
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 ピーマン果実には独特な苦味があり、子どもたちの嫌いな野菜の上位にあげられる。本研究では、ピーマンの嫌いな子どもたちが、おいしく食べることの出来るピーマン入りおやつを作ることを目的とした。その前段階としてピーマン果実の加熱による成分変化についても調べ検討した。
方法 緑と赤のピーマンを用いた。ピーマンは、可食部をオーブンで加熱し熱いうちに皮を剥いたものと剥かないものそれぞれをミキサーにかけ試料とした。試料を細砕し、80%エタノール溶液で抽出、エタノール留去後アンバーライトIRA-96SBカラムに通し溶出液を減圧濃縮して一定容、糖測定試料とした。アンバーライトIRA-96SBカラムに吸着した有機酸は、0.1N-NaOHで溶出させDowex50-x8カラムに通し減圧濃縮して一定容、有機酸測定試料とした。HPLCで定量を行った。ミキサーにかけてピューレにしたものを利用したクッキーなどを考案し、幼稚園児を対象にアンケート調査を行った。
結果 ピーマンに含まれている糖は、グルコース、フルクトース、スクロースであった。オーブン加熱による糖の変化は、緑ピーマンではほとんど見られず、赤ピーマンでは、増加傾向が見られた。有機酸は、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、キナ酸が含まれていた。加熱による有機酸の変化は、赤ピーマンでみられ、クエン酸が減少し、リンゴ酸が増加した。皮を剥いたことでの糖と有機酸含量の差は見られなかった。幼稚園児は、緑ピーマンより赤ピーマンを嫌う傾向が見られた。加熱により糖が増加し、クエン酸が減少した赤ピーマンを利用したクッキーはピーマン嫌いの幼稚園児に特に好まれた。

著者関連情報
© 2006日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top