日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-49
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ポスター発表
食育を志向した野菜嫌い克服メニュープランニングの試み
フードコーディネート授業の一環として
*湯川 夏子岡部 愛今田 祐子米浪 直子
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抄録

【目的】子どもの野菜嫌いは多く、これを克服し食嗜好の幅を広げることは、食教育において重要な課題の1つといえる。野菜は調理により様々な食感や味を生み出し、盛付けや調理の工夫次第で嫌いな食品の克服が可能である。本研究では、学生達が子どもの食生活についての意識を持つ機会になることを目的とし、フードコーディネート授業の取り組みの1つとして、子ども向け「野菜嫌い克服メニュー」の献立作成をおこなった。この実践結果とその評価について報告する。
【方法】野菜嫌いの克服を目的とした料理を学生が考案・試作した。これを「料理の出来栄え」4項目「野菜の味」2項目「子ども向き料理としての適正さ」3項目、合計9項目について評価を行った。2品について、小学生の親子(13組)に試食を依頼し、母親によって、質問紙記入とグループインタビューによる料理評価を行った。
【結果】学生により6品の料理が考案された。そのうち評価の高かった「なすのグラタン」を小学生の親子に試食・評価してもらったところ、外観が原因で全体の評価が低く、子ども向き料理として、外観の重要性が示唆された。「にんじんのコロッケ」では味・外観ともに好評であったが、「コロッケを手作りしない」という家庭が多く、家庭料理の実態にあわせた料理内容の提案が必要であった。これらの取り組みを通じて、学生は野菜の調理方法の工夫や、盛付けの重要性について学ぶことができた。学生が意欲的に取り組める課題であったと共に、母親に対しても子どもの食生活について考える機会として有効であった。今後さらに内容を検討し、効果的な食教育の取り組みとなるよう改善したい。

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© 2006日本調理科学会
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