日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-56
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ポスター発表
カラギーナンによるカスタードプリン用スラリーの加熱凝固性のコントロール
*小田 佳史木村 知文青山 忍木村 義治長谷川 峯夫
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抄録

【目的】一般的なカスタードプリンは、卵、牛乳、砂糖等を混合したスラリーをオーブンやスチーマーで加熱調理することによって凝固させる。したがって、これらの設備が導入されていない飲食店で本格的なカスタードプリンを提供することは非常に手間のかかる作業となる。そのため、市場にはゲル化剤を用いて冷やして固めるタイプのプリンスラリーや、粉末状のプリンの素も存在しているが、それらは加熱殺菌や加熱調理の際に卵が凝固しないようにするために卵の配合量が抑えられているか全く配合されておらず、カスタード風味に乏しいものであった。そこで本研究では、上記のゲル化剤で固めるタイプのプリンスラリーにおいて卵の配合量を増やすべく、検討を行った。
【方法】卵黄15%を含むプリンスラリーを対照とし、これに対しカラギーナン、ゼラチンを加える等、条件を変更したサンプルを調製した。各サンプルから5mLを試験管に採取し、90℃で10分間加熱した際のスラリーの凝固状態を確認した。
【結果】ゲル化剤としてカラギーナンを使用すると、卵黄の加熱凝固を抑制できることがわかった。すなわち、上記カラギーナンを添加しないサンプルではスラリーが凝固して流動性を失ったのに対し、カラギーナンを1%添加したサンプルでは加熱後もスラリーは流動性を有していた。これにより、卵の配合量を増加させることが可能となり、カスタード風味豊かなプリンスラリーを調製することができた。

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© 2006日本調理科学会
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