日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2C-a4
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口頭発表
ハーブ抽出物を利用したカット野菜の鮮度保持技術
*福山 明子長友 絵美水谷 政美
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キーワード: カット野菜, ハーブ
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抄録


【目的】
 外食産業や食の簡便性を求める一般家庭の利用等により、カット野菜の需要は近年大幅に増加している。現在カット野菜製造時には、次亜塩素酸ナトリウムを代表とする塩素系殺菌剤が使用されているが塩素臭の残留等の問題を有しているため、これらの問題点を解消できる品質保持技術の開発が期待されている。本研究では、イタリアンパセリ、ローズマリー、ペパーミント、レモンバームの抽出物を用いてカット野菜の品質保持技術を検討した。
【材料】
 宮崎県総合農業試験場薬草・地域作物センターで栽培されたハーブ葉部を、搾汁後フィルターろ過(0.45μm)し、生葉搾汁液とした。また、一部は凍結乾燥し、熱水、エタノール、ヘキサンによる抽出を行い、得られた抽出物を供試試料とした。
【方法】
 ハーブ抽出物のEscherichia coliに対する細菌増殖抑制効果を、比濁法により検討した。また、比濁法で活性の高かったペパーミント、ローズマリーのヘキサン抽出物、ローズマリーのエタノール抽出物を蒸留水に0.5%添加した溶液にカットキャベツを10分間浸漬後、OPPフィルムに入れ、10℃で保存し、一般生菌数の推移を比較検討した。
【結果】
 細菌増殖抑制効果は、ペパーミント、レモンバーム、ローズマリーのヘキサン抽出物及びローズマリーのエタノール抽出物で活性が高い傾向がみられた。比濁法で活性が高かった各ハーブ抽出物を浸漬処理したカットキャベツの一般生菌数は、ローズマリーのヘキサン抽出物において4日間105 CFU/g 以下に制御され、対照とした次亜塩素酸ナトリウム処理(100ppm)より菌数が低く推移した。

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© 2007日本調理科学会
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