日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2C-a3
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口頭発表
パルダマの成分特性と食物繊維の機能
*石田 裕岡田 彰奈高橋 枝理子鈴野 弘子
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抄録


【目的】
 パルダマはキク科の植物で、葉茎菜類に属し、葉の表面は濃緑色、裏面は紫色、ゆでると切り口から粘性物質が得られ、食感として「粘り」を有するのが特徴である。沖縄地域ではゆでて和え物にしたり、炒め物にして利用される。これまでに粘性を有する数種の葉菜にグルコース(Gul)拡散阻害が認められ、血糖値上昇抑制の機能を有することを明らかにした。そこで粘性を持つパルダマについても栄養成分と機能性を明確にして、利用性を高め、さらには地域活性へつなげることを目的とした。
【方法】
 試料:4~5月に採取した宮古島産パルダマの葉と茎上部を細切混合し用いた。栄養成分は生試料、粘度、Gul拡散阻害、Gul培養細胞能動移送阻害試験は凍結乾燥後粉砕し加温抽出、アルコール沈殿法で得た試料を用いた。測定法;栄養成分は五訂日本食品標準成分表の方法に従った。粘度は振動粘度計A&D製SV10型で測定した。Gul拡散阻害試験は桐山等の方法に従った。Gul培養細胞能動移送阻害試験はCaco-2細胞を用いて行った。
【結果】
 一般成分では水分が92.5%であり、無水物換算で炭水化物は76%、水溶性食物繊維(DF)が12.7%、不溶性DFが40.0%であった。また生試料でミネラルはCaが100g中155mg、Feは1.37mg、ビタミン類ではβ-カロテンが2370μgと高い値であった。粘度は2.0%抽出水溶性食物繊維溶液で42.6mPa・s、1.0%で8.2 mPa・s、0.5%で2.4 mPa・s、0.25%では1.5 mPa・sであった。Gul拡散阻害試験では120分後で0.25%でも50%以上、0.5%では90%以上の阻害が見られた。また培養細胞を用いたGulの能動移送についても明らかな阻害がみられた。

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