日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2C-a7
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口頭発表
「岩津ネギ」の品質特性
*小河 拓也福嶋 昭小林 保永井 耕介
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キーワード: 岩津ネギ, 葉鞘
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抄録


【目的】
 「岩津ネギ」は兵庫県朝来市特産のネギであり、150年以上の栽培の歴史を有している。食味が良く、市場での需要も高いため、年々栽培面積が増加している。しかしながら、今後、「岩津ネギ」の生産を安定的に拡大するには、特性に応じた栽培、販売を考える必要があるため岩津ネギを調査を行った。
【方法】
 2005および2006年に兵庫県立農林水産技術総合センター(兵庫県朝来市)で慣行栽培された「岩津ネギ」を12月上旬より2月下旬まで月2回(上下旬)収穫する。調整後、外観(全長、全重、部位別重量、外径等)および内容成分(水分、灰分、pH、滴定酸度、糖組成、アスコルビン酸等)および葉鞘の破断応力を測定した。
【結果】
 収穫期間を通し、草丈に大きな差はなかった。雪によるネギの損傷のため、葉身部の重量が小さくなる時期があった。葉鞘の長さ、重量等に変化はみられなかった。収穫時期により水分に差がみられた。アスコルビン酸は2月下旬より含有率が高くなった。果糖含有率は1月下旬~2月上旬に高くなり、ショ糖含有率は12月下旬から高くなった。遊離アミノ酸も同様に12月下旬より高くなった。葉鞘の破断応力は12月上旬が大きく、12月下旬以降小さくなり、1月上旬から1月下旬が最も小さくなった。年度により応力に差がみられ、2005年度は12月上旬から全体的に応力が小さく、逆に2006年度は大きかった。以上のことから、「岩津ネギ」の品質は気象の影響を大きく受け、12月下旬以降に食味を増すことが推察された。

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© 2007日本調理科学会
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