日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2D-a7
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口頭発表
エゴマ鶏の開発と食品への利用 第1報
エゴマ粕を給餌した鶏肉の脂肪酸およびアミノ酸組成について
*前田 文子小澤 陽子永嶋 久美子蓮沼 良一大楽 勝弘福永 淑子陳 美慧
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キーワード: エゴマ, , 脂肪酸, アミノ酸
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抄録

【目的】
 東北地方で多く栽培されるエゴマは、種子に多くのα-リノレン酸を含み、種子を圧搾して得られるエゴマ油は生活習慣病予防の機能性食品として評価されている。エゴマ油を絞った後の粕を鶏の餌に混入し与えることにより、鶏肉の成分や食味を改善するとともに、エゴマ粕の有効利用を図り、生産地域の特産品とすることを考える。
【方法】
 エゴマ粕を餌(トウモロコシ、魚粉など)に混ぜて与えた鶏肉の一般成分及び脂肪酸組成、アミノ酸組成を測定し、エゴマ粕を与えない鶏と比較する。エゴマ粕の投与期間は112、80、44日、混入割合は10、20、30%で比較した。一般成分は食品成分表に準じて測定し、脂肪酸組成は、クロロホルム-メタノール混合液で抽出した油脂をエステル化した後、ガスクロで測定した。アミノ酸はアミノ酸分析器により測定した。飼育期間は120日間とする。
【結果】
 一般成分についてはエゴマ粕の影響はあまり見られない。脂肪酸組成については、エゴマ粕を与えない鶏はα-リノレン酸をほとんど含まないが、エゴマ粕を10、20、30%与えた鶏は、6~12%のα-リノレン酸を含む。エゴマ粕量が20%以上になるとα-リノレン酸が10%を超え、またエゴマ粕が多すぎると餌のたんぱく質量が不足することからエゴマ粕の混入量は20%を適量と判断した。投与期間は112日と44日の鶏で差がないことから、出荷の40~30日前から投与すればよいと考えられる。味に関与する遊離アミノ酸はエゴマ粕を多く与えた鶏で増加し、うま味が増すことが確認された。コラーゲンに関与するアミノ酸はモモ肉に多く含まれるがエゴマ粕の投与による変化は認められない。エゴマの脂肪酸組成は鶏肉に反映し、エゴマ鶏の機能性食品としての可能性はあると示唆された。
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© 2007日本調理科学会
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