日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2D-p5
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口頭発表
水の違いによる緑茶成分の抽出率
*渋谷 和代左官 愛野江端 恵加渡部 絵里香数野 千恵子西島 基弘
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抄録


【目的】
 緑茶を水道水、アルカリ電解水、およびRO水(逆浸透膜で得られた水)で抽出し、カテキン類、メチルキサンチン類、L-アスコルビン酸およびテアニンの抽出率の比較検討を行った。また、市販緑茶(18種類)中のそれらの含有量について検討した。
【方法】
 緑茶の抽出は、茶葉を一定条件で抽出後、ろ液を試験溶液とした。カテキン類、メチルキサンチン類およびL-アスコルビン酸はHPLCを用いた。HPLC用カラム: J’sphere ODS – H80(4μm,4.6mmi.d.× 250mm)を用いた。L-アスコルビン酸はカラムは0.1Mリン酸一アンモニウムで置換したLiChrosorb-NH2(10μm,4mmi.d.× 250mm)を用いた。テアニンは、アミノ酸分析計で分析した。
【結果】
 緑茶抽出液のカテキン類では、特にEGC、EGCG、EC、ECGが多く検出されEGC、EGCG、EC共にRO水の抽出が最も良く、次いでアルカリ電解水、水道水の順であった。ECはRO水、水道水、アルカリ電解水の順となった。メチルキサンチン類については、カフェインが最も多く検出され、RO水での抽出が最も良く、アルカリ電解水、水道水の順であった。テアニンについては、いずれの試料水も同程度検出された。市販緑茶のカテキン類は30~75mg/100mlであるが、「特保」や商品名に「濃い」と表示されているものは、100 mg/100ml以上のものが多く見られた。カフェインについても同じ製品では多く検出されたが、テアニンは特に多くはなかった。市販緑茶のL-アスコルビン酸は、3~40mg/100mlと製品により大きな差が見られた。

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