日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-3
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ポスタ-セッション
岩手県における米の摂取・調理状況と米に対する意識調査(第2報)
-米料理の実態と特徴-
*高橋 秀子岩根 敦子菅原 悦子魚住 惠村元 美代板垣 千尋安部 恵
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キーワード: 意識調査, 米料理,
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抄録


【目的】
 近年は米の消費が低迷している。また、食品加工産業が発達し食材・調理品の購入が手軽になり、外食産業の浸透により外食の頻度も高くなった。米の摂取および調理に関する意識は、変化してきている。岩手県の米の摂取と調理の現況を把握するため調査した。
【方法】
 平成19年1月に調査を行った。岩手県内の大学1校と短大2校の学生、卒業生および学生の家庭の調理担当者を調査対象とした。調査内容は、炊き込みご飯・混ぜご飯およびちらし寿司の具材の種類と調理法、調理される米料理の変遷および各家庭の特徴的な米料理に関するもので、質問用紙を配布し、1ヶ月後に回収した。
【結果】
 回答者数は133であった。炊き込みご飯の具材は人参、油揚げ、ごぼう、鶏肉、しいたけが多く、ほたて、うに、あわび、鮭等の魚介類もあった。具を下煮して用いる回答が49%(回答中)、もち米も用いるが7%あった。混ぜご飯の具材は人参、油揚げ、ごぼう、しいたけが多く、ひじき、ゆかり、梅、そして、うなぎ、牛肉、豚肉などの動物性食品の使用もあった。市販の具の使用が20%あった。散らし寿司の具は卵、人参、しいたけ、かんぴょう等であった。具材の種類数が多く、まぐろ、あなご、いかの魚介類、シーチキン、ソーセージ等の加工食品もあった。市販品の利用が14%あった。以前ほど食べられなくなった米料理は、(1)家族構成が変わった、(2)摂取カロリーを考えた、(3)手間がかかるという理由で食べられなくなっていた。よく食べるようになった料理は、家族が好む、健康によい、作り方が簡単である理由が多かった。得意な米料理と珍しい食べ方には、作る人の出身地を反映している(だまこ餅・秋田県北、雑穀餅・岩手県北)、その地域に伝わる(酢餅・一関市千厩)、地域の特産物を利用した(あわび飯・いか飯)料理があった。作られる料理に影響を及ぼす最大の因子は、喫食する人の評価であると思われた。

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