日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-25
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ポスタ-セッション
葉酸およびビタミンCを添加した浅漬けについて
*三宅 紀子酒井 清子倉田 忠男
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抄録


【目的】
 生活習慣病の予防にビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含む野菜の摂取の重要性は高まっている。浅漬けはご飯を中心とした日本型食生活によく合う野菜の調理・加工法である。昨年度本学会において漬物製造過程でビタミンC(VC)を添加することにより積極的にVC含量を高め栄養性を向上させた浅漬けについて報告した。一方、葉酸はとくに若い女性において必要性が高まるビタミンであるが、不足しがちなためサプリメントも多く出回っている。本研究では製造過程でVCおよび葉酸を添加した高付加価値の浅漬けの可能性について検討した。
【方法】
 市販のキャベツを漬け液(食塩濃度;5%)に4℃で約18時間漬ける浅漬けモデル系を用いた。漬け液に0.5~16mg/100mlの葉酸を単独で添加して浅漬けへの移行を検討した。さらにVCと葉酸を漬け液に同時添加した場合の浅漬け中のVCと葉酸量を調べた。浅漬け中の葉酸およびVC量はHPLC法で測定した。
【結果】
 漬け液中の葉酸濃度を0.5~16mg/100mlと段階的に変えたときの浅漬け中の葉酸含量は約50~9500μg/100gであった。1日あたりの浅漬けの摂取量(20~50g)と食事摂取基準から考えて漬け液の葉酸は1~2mg/100mlが妥当であると考えた。さらにVC(1g/100ml)と葉酸(1~2mg/100ml)を漬け液に同時添加したところ、浅漬け中のVC含量は約130mg/100g、葉酸含量は約160~520μg/100gであった。1日あたりの浅漬けの摂取量を30gとすると、この浅漬けにより45mgのVCと45~155μgの葉酸の摂取が可能であることが明らかになった。

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