日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-47
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ポスタ-セッション
医療法人聖会石川病院における糖尿病とうつ症状を有する入院患者への NST 介入とその改善状況について
*坪内 美穂子岡田 明美龍 祐吉柵木 義和河合 清石川 覚也伊藤 正江
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キーワード: 糖尿病, うつ病, 改善
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抄録

【目的】
 今日の医療では、患者のQOLの向上や医療費の有効利用などの観点から、栄養管理に関する高度な知識と技術が非常に重要視されている。高度な臨床栄養管理を実施するためには、栄養サポートチーム(NST) による支援が非常に重要と考えられる。本研究では、うつ症状を有する糖尿病患者の食欲不振におけるNSTの介入症例について、その問題点と今後の課題を検討することを目的とした。
【方法】
 症例:81歳、男性。糖尿病・うつ病(症状:脱水・食欲低下・体重減少)。医療法人聖会石川病院に入院(平成20年2月)。項目は、臨床所見、血液検査データ(1)TP(2)ALB(3)Hbを測定した。同時に栄養摂取量等の推移、モニタリング、身体計測を行った。
【結果および考察】
 入院当初の生化学検査値は、(1)TP6.2g/dl(2)ALB2.5 g/dl(3)Hb9.5 g/dlと標準値以下であった。また、BMIが19.1と低値であったため患者の嗜好を加味した食事を選択し、NSTの介入を行った。 NST介入後、(1)TP (2)ALB (3)Hbは横ばいであった。大きな改善は見られなかったが、食事の形態の工夫と摂取量の照合により総合的な摂取状況の把握が可能となり、摂取状況のムラが減少し、エネルギー摂取量の安定が見られた。退院後は、在宅指導を行っているが、継続的な支援を通して生化学検査値および栄養摂取状況の改善が見られた。訴えを表出できない患者への支援は、食に対するニーズを把握し、模索検討することで食の改善につながることと思われる。そのため介入は、在宅指導においても状況に応じて継続的行っていくことが大切であることが示唆された。
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© 2008日本調理科学会
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