抄録
【目的】
マヨネーズをホットケーキやチャーハンに配合すると、食感及び食味を改善する効果があることはすでに報告した。今回は、揚げ物の中でも人気が高いてんぷらについて報告する。一般の家庭では、専門店のてんぷらのようなサクサクしたてんぷらを作ることは難しい。本研究では、てんぷらのバッターにマヨネーズを配合した場合の食感(サクサク感)及び食味改良効果を明らかにすることを目的とした。
【方法】
一般的に、てんぷらのバッターは薄力粉、清水、全卵から成る。この材料で調製したバッターにて作成したエビのてんぷらを対照品とし、全卵をマヨネーズで置き換えたバッターにて作成したエビのてんぷらを試験品とした。対照品と試験品に関し、官能評価(一対比較試験)を行った。次に、評価機軸であるサクサク感について、機器測定を行った。なお、機器測定では、エビのてんぷらの衣と揚げ玉では、同様の傾向を示したため、エビ等の具材によるばらつきがなく、より定量性が高い揚げ玉としてサンプルを調製し、測定を行った。
【結果】
官能評価において、マヨネーズを配合した試験品はマヨネーズを配合しない対照品に比べ、サクサクしておいしい、という結果が得られた(高度に有意差あり)。また、機器測定においても、試験品は対照品に比べ、サクサクしているという結果が得られた。
以上より、マヨネーズを配合することにより、てんぷらの食感及び食味が改良されることが明らかとなった。