日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1A-8
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口頭発表
各種洗浄処理におけるカットキャベツの生菌数の推移
*逵 牧子水野 良美石黒 厚武政 二郎寺本 忠司
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抄録

【目的】
 市販カット野菜の消費期限当日の細菌汚染調査では、大腸菌群陽性率が82%と高率であり、その生菌数および大腸菌群数はいずれも10~106個/g以上と広範囲の汚染が明らかになった。カット野菜の生菌数を減少あるいは維持する要因として洗浄剤の選択が重要な課題である。今回、各種洗浄による除菌・殺菌処理したカットキャベツを低温保存して生菌数測定を実施した。
【方法】
 材料は市販のキャベツをカットしたものである。洗浄処理方法は各メーカの使用方法通りに実施した。カットキャベツを4種類の洗浄剤(中性洗剤、次亜塩素酸ナトリウム、野菜専用除菌洗浄剤、高度さらし粉)および水洗で処理後、それぞれ約100gをP-plus袋(住友ベークライト)に入れて密封して5℃および10℃で3日間保存し、保存日毎に生菌数を測定した。生菌数測定は公定法に準拠した。
【結果】
 カットキャベツを4種類の洗浄方法および水洗処理したものを3日間測定した結果は次のとおりである。中性洗剤処理では5℃と10℃保存で増加し、水洗処理と生菌数の差はなかった。次亜塩素酸ナトリウム処理では5℃と10℃保存とも1日目で減少し、2日、3日後に増加した。野菜専用除菌洗浄剤および高度さらし粉は、5℃と10℃保存とも1日目で減少し、2日3日後は1日目の菌数を維持した。また、水洗処理では5℃と10℃保存とも1日目に増加した。今後、生食用野菜の生菌数を減少させる洗浄剤ならびに処理方法を検討する。
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© 2008日本調理科学会
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