日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-42
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ポスターセッション
近畿の家庭における野菜を利用した行事食 -和歌山県ー
*川原崎 淑子東根 裕子片寄 眞木子
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抄録
【目的】日々の食生活に野菜は欠くことのできない食品であり、日常食のみでなく、行事食の料理としても古くから使用されてきた。日本調理科会近畿支部では現在の野菜の利用状況を知るために調査を行い、報告してきた。特に和歌山県については東根らが野菜の嗜好について、又片寄らが野菜の料理について報告している。今回は前報に引き続き、和歌山市と田辺市の行事食の実施状況、行事の料理、料理に使用される野菜、さらに料理実施の理由について報告する。【方法】本調査の時期は平成19年9月から20年2月に、調理担当者を対象者とし、留め置き式、自記式質問紙調査を行った。調査内容は野菜64種類の嗜好、料理、行事食の実施と料理についてである。【結果】対象人数は和歌山市が57名田辺市52名であつた。1)行事食の実施を多い順に示すと、和歌山市は正月、ひな祭り、冬至、節分、盆・月見、で田辺市は正月、盆、冬至、ひな祭り、七草であり、両市共に上位5位に挙げられていたのは、正月、冬至、ひな祭り、盆であった。2)行事の料理内容は何れの市も正月はおせち料理や雑煮、ひな祭りはちらしずし、冬至は煮物であった。3)手作り度に関しては冬至、クリスマス、大晦日、夏祭り、記念日は100%が手作りであったが、購入する行事は弔事50%、節分31.3%、端午の節句18.8%の順であった。4)行事食に使用された全野菜の中で使用頻度が高いのは人参16%、牛蒡10%、蓮根7.3%、たけのこ水煮6.4%、椎茸5.3%の順であった。5)行事食を実施する理由をとして、正月は縁起を担いで、代々受け継いで、七草は無病息災、疲れた胃を休める、節分は風習、冬至は健康を願い、などの理由がみられた。
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