日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-43
会議情報

ポスターセッション
近畿の家庭における野菜を利用した行事食-滋賀県-
*坂本 裕子小西 春江石井 裕子
著者情報
キーワード: 行事食, 滋賀県, 野菜, 調査, 家庭
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
目的】現在の家庭における野菜の利用状況を調べるために、日本調理科学会近畿支部食文化分科会では2007年9~12月に広く2府4県でアンケート調査を行った。今回滋賀県における行事食に用いられる野菜について、地域や年代等の違いを明らかにすることを目的に検討した。
方法】 県庁所在地を含む南東部の大津・湖南市、県西北部の北小松・長浜市の2地域で、調理担当者各々97人、73人を対象に、1年間に行われる代表的な16の行事について行事食に用いられる野菜とその料理名、それら野菜を用いる理由・由来等について調べた。
結果】年間の行事で野菜を用いる料理数は全体で816あり、一家庭あたり平均で南東部4.36、西北部5.44となり、地域差が見られた。西北部では正月や節分、春祭り・田植え、冬至、弔事で野菜の利用が多く、南東部は盆、クリスマスでわずかながら上回った。行事の中では正月が全体の31%と最も野菜の出現料理数が多く、次いで冬至11%、ひな祭り10%、節分、七草8%、盆7%の順となった。用いられる野菜はごぼう、れんこん、あるいはゆりねなど、普段の料理には出現しにくいものが多く見られた。自由記述による野菜を用いる理由・由来等の回答は料理数全体の32%で、内容は伝承(習わし)とするものが29%、祈願(健康・豊作)、縁起が各23%であった。正月は野菜を使った料理数が一番多いものの由来等の記入は3割であるが、弔事は52%で、七草は51%で回答があった。50歳以上、50歳未満で平均の料理数を比較すると、西北部では両者にほとんど差がないものの、南東部では50歳以上3.94、50歳未満4.90となり年代間に差が見られた。
著者関連情報
© 2010日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top