日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-44
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ポスターセッション
モデルメニューの栄養評価による環境効率指標
*津田 淑江船木 絵美子大家 千恵子
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抄録
目的:食料の燃料化などを含め、食の持続可能性をいかに実現するかが大きな問題となってきている。食の持続可能性向上のためには、食品の機能や価値を向上させつつ、環境負荷量(CO2)を低減させることが必要条件となる。「環境効率」は、対象とする製品を作るための環境負荷量と、その製品から得られる価値の総合評価得点の割合を比較する方法である。食分野における環境効率指標は「食の環境効率=食の機能・価値/食の環境負荷量」で示される。家庭において環境・資源を考えた行動を起こすことが重要になってきていることから、食物の機能・価値を失わずに環境負荷削減を考えなければならない。本研究では、食の機能・価値を食物の栄養評価とし、その価値評価因子を求めると同時に、食物におけるライフサイクルアセスメント分析から、環境効率の算出を試み、食分野の環境効率指標の一提案とすることを目的とした。
方法:ケーススタディーとして、家庭において食材から調理する場合を想定したモデルメニューを設定し、環境効率指標の実用化に向けた検討を行った。環境効率算出の分母は1食分のライフサイクルCO2(LC -CO2)とした。食材の生産、輸送、調理、廃棄の各段階におけるCO2排出量を測定し、家庭料理が出来上がるまでの環境負荷量をLC-CO2評価とした。また分子は、1食分の食物から得られる価値とし、モデルメニューから得られる栄養評価価値を統合化し用いた。評価対象の栄養素はエネルギー、タンパク質、脂質、カルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンC 、食物繊維、食塩、野菜摂取量の10項目とした。
結果:和食(炊き込みご飯、すまし汁、サバ味噌煮、いんげん胡麻和え)を例とすると、サバ国産の場合の環境効率は6.66、ノルウェー産(船輸送)では5.94、ノルウェー産(飛行機輸送)では1.37であった。
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© 2010日本調理科学会
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