日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-21
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ポスターセッション
新種イチゴ「ロイヤルクイーン」の成分分析および調理加工への応用
*荒木 葉子笹原 麻希
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抄録

新種イチゴ「ロイヤルクイーン」の成分分析および調理加工への応用 ○荒木葉子・笹原麻希(新渡戸文化短期大学) 【目的】「ロイヤルクイーン」はや栃木県の個人育種家の品質改良により生まれた新種のイチゴである。2008年12月から都内の一部のデパートや青果店に見られるようになり、今後さらに市場に普及していくものと思われる。そこで、他品種のイチゴの体成分と比較するためにビタミンC、糖度の測定を行った。また、生食や調理加工品の試作とともに、これらの官能検査を行い、「ロイヤルクイーン」の普及に向けた基礎的知見を得ようと考えた。 【方法】「ロイヤルクイーン」は出光興産株式会社より提供していただいた。総ビタミンC量は、東亜電波工業(株)製VC-110ビタミンC計を用いて測定した。糖度は、(株)アタゴ手持屈折計N1(Brix0~32%)を用いて測定した。また、「ロイヤルクイーン」「とちおとめ」「紅ほっぺ」の生イチゴの香り、色、酸味、甘味、総合の各項目について本学学生10名をパネルとして評点法により官能評価を行った。 【結果および考察】各種イチゴの総ビタミンCの測定を行った結果、「ロイヤルクイーン」が731mg(乾燥物試料100gあたり、以下同様)「とちおとめ」が773mg、「紅ほっぺ」が479mgとなった。五訂増補食品成分表のイチゴのビタミンC量が600mgであるのに対し「ロイヤルクイーン」は731mgと比較的高含量であることが分かった。また、糖度の測定では、「ロイヤルクイーン」は9.3度、「とちおとめ」は6.8度、「紅ほっぺ」は8.4度となり、供試イチゴの中では最も「ロイヤルクイーン」の糖度が高かった。官能検査の結果、「ロイヤルクイーン」は「とちおとめ」に比べて危険率5%で有意に好ましいと評価された。調理加工品としては麺類・スープ・サラダ・菓子などに「ロイヤルクイーン」を使った料理を試作した。比較的酸味の強い品種であるため、ドレッシングやソースなどへの利用が有効であるが、菓子他さまざまな料理への応用が可能であることが確認された。

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