抄録
【目的】岐阜県の特産物である富有柿は10月下旬より12月上旬に栽培される。年間16448トンが生産されるが、市場での選別等において規格外として年間1650トンの甘柿が破棄されている。そこで、規格外の富有柿を利用して柿の色や特徴を生かした新加工品ができないかを考え、その試作を行った。
【方法】柿は生のままでの長期保存が難しいため、冷凍した柿の利用方法と合わせて、現在販売されている柿を使った製品、および果物の加工品について調査を行い、どのような加工品が特徴を生かした上でできそうかの調理方法の検討した。調理品として、アイスクリーム、ジャム、ペースト、パイ、キャラメルなどのデザート類を試作した。
【結果】柿の特徴を生かす調理法として加熱を短時間にする、厚めにスライスするの2点があげられた。加工品としては年間を通して利用できるように長期保存を可能とすることが必要であるため、加工品に加えやすいようにペーストに加工してからの保存が有効と考える。