日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-26
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ポスターセッション
マイクロバブルを利用したゲル状食品の開発
*藤岡 葵柘植 光代岩崎 裕子大越 ひろ
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キーワード: マイクロバブル, ゲル, 豆乳
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抄録
目的】 微細気泡であるマイクロバブル(MB)は、その特性を生かし、食品分野では殺菌や洗浄、排水処理に利用されている。しかし、MBの泡沫を利用した食品はまだ開発されていない。本研究では、MBを利用した食品の調理・加工法開発を目的として、MBを含んだゲル状食品の調製方法を検討した。また、得られたゲルの性状を明らかにするため、力学的特性などの測定を行った。
方法】希釈豆乳に寒天を0.7-0.8w/v%添加し、豆乳寒天ゾルを調製した。MB発生器でMBを10分間発生させ、容器に分注後10℃の恒温器で20時間静置し、MB入りゲル試料とした。テクスチャー特性及び破断特性などを測定し、気泡の分散状態との関連性、寒天濃度及び豆乳濃度の影響について検討した。
結果】MBを含んだゲルにおいては、テクスチャー特性の硬さが有意に低下した。破断特性においても破断応力が著しく小さくなったが、破断ひずみには、泡の影響が認められず寒天ゲル固有の値を示した。また、気泡を含むことで比重は低下し、ゲル中の気泡体積は約7割含まれていることが確認された。以上のことから、豆乳濃度は溶液の起泡性や気泡の安定性に影響し、寒天濃度を一定にした場合、豆乳濃度を変化させることで、得られるゲルの状態は異なることが明らかとなった。
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© 2010日本調理科学会
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