日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-31
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ポスターセッション
味噌汁の具が汁の風味と嗜好性に及ぼす影響
*魚住 恵小原 歩美工藤 霞田中 匠田村 悠中村 彩子吉田 奈津子
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キーワード: 味噌, 嗜好, 官能評価, 減塩
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抄録
目的:「味噌汁」は、様々な具を使うことができ、献立の栄養バランスを取る上で便利な調整役を果たすことのできる料理である。しかし、一方で塩分の摂取量を上げる原因となりやすいことから敬遠されることもある。本研究は,味噌汁の具の種類と風味、および嗜好との関係を明らかにし、塩分の摂取量を抑えながら、嗜好的に好まれる味噌汁を調製することの可能性を検討することを目的として行った。
方法:2%鰹節だし汁に10種類の具を1種類ずつ加え、適宜加熱した後、味噌を溶かした汁、またはだし汁に味噌を溶かした後、具を加えた汁を試料として官能評価をおこなった。味噌は、一般的に小売店で市販されている塩分濃度の異なる甘口味噌と辛口味噌を用いた。官能評価は具を加えずに調製した味噌汁を対照として5段階尺度法を用いておこなった。官能評価データの統計的分析にはΧ2検定を用いた。
結果:甘口味噌、辛口味噌とも、具を加えることにより香り、具の味が良いと評価された味噌汁ほど、嗜好的な評価が高くなった。一般的に甘さが高い味噌汁は、嗜好的な評価が高い傾向が見られた。甘口味噌,辛口味噌で、具による味や香りといった官能評価特性の傾向と、それぞれの評価カテゴリーの高さには大きな差は見られず、塩分濃度が低い甘口味噌を使用しても総合評価は辛口味噌を使用した場合と変わらないことがわかった。このことから、嗜好的な満足度を保ちつつ、味噌汁の塩分を抑えるためには、塩分の低い甘口味噌を使い,汁の味や香りがよくなる具を用いることが有効であると考えられた。
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© 2010日本調理科学会
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