日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1D-a3
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口頭発表
保存条件が抹茶の起泡性に及ぼす影響
*池田 博子園田 純子沢村 信一
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キーワード: 抹茶, 保存条件, 起泡性
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抄録
【目的】抹茶は煎茶と同様、保存方法によっては色・味・香りなど品質の低下がみられる。原口らは抹茶の保存条件が品質に与える影響について調べ、温度の影響が大きいことを報告している1)。演者らは高温および太陽光線下で変質させた抹茶の起泡性を測定し、著しい泡立ちを示すことを確認した。これは、保存による品質の低下が起泡性にも影響することを示唆している。そこで、温度を変えて保存した抹茶について起泡試験を行い、温度と保存期間が抹茶の起泡性に及ぼす影響について検討した。 【方法】保存温度は5℃、25℃、45℃とし、各温度で1,2,3,5ヶ月保存し、抹茶の起泡試験を行った。なお、室温による起泡試験への影響を排除するため、1,2,3、5ヶ月保存した抹茶は-20℃で保管し、室温がほぼ同程度の日に起泡試験を行った。抹茶は、市販の上級(1,000円/20g)および中級抹茶(500円/20g)を用い、起泡試験は前報同様の方法で行った。 【結果】泡沫容積は、5℃では上級、中級抹茶とも保存による変化は小さく、25,45℃と温度が高くなるほど保存により起泡性は高くなる傾向が見られた。抹茶の種類により泡立ちの変化傾向は若干異なり、概して中級抹茶の方が保存により起泡性は高くなる傾向がみられた。中級抹茶は、5℃、25℃においてはいずれの期間も上級抹茶に比べて起泡性は低かったが、45℃保存では逆転した。また、抹茶の色は5℃ではほとんど変化がなく、25℃では5ヶ月で若干変色が見られ、45℃保存では1ヶ月でも変色が激しいことが観察された。 1)茶業研究報告 93号 1-8(2002)
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© 2010日本調理科学会
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