抄録
【目的】市販ゆでうどんは、数分間ゆでて麺つゆにつけるか、出汁をかけて食すのが一般的であった。しかし、近年の家電製品の充実、調理の簡便化志向や嗜好の多様化などに伴い、調理方法も、鍋を用いず電子レンジで加熱するなど多様化している。この様な変化に対応するためには、原料の選択や製法なども考えられるが、消費者としては添加物の有無や仕上がったうどんのおいしさなどに関心がある。そこで調理方法が異なる市販ゆでうどんを選択し、原材料や添加物などを調べ、さらにそれぞれの調理方法で調理してテクスチャーの比較をすることにした。
【方法】日野市、立川市の大手スーパー店頭にて、調理方法ゆでる3種(以下A,B,C)、煮込む(以下D)、焼く(以下E)、電子レンジで袋ごと加熱(以下F)、加熱無しで流水にさらす(以下G)、を選択した。食品表示、栄養成分表示を調査し、記載の調理方法を参考に調製し、クリープメーター(RE33005(株)山電)に電子恒温システム(ETC-3305 (株)山電)を取り付け、麺中心温度26℃と60℃で破断特性とテクスチャー特性の測定を行った。
【結果】ゆでうどんの必須材料は小麦粉、食塩、でんぷんで、冷凍タイプのF以外には保存料として酸味料、またD,Eには増粘多糖類、C,Gには小麦タンパク質、Gにはアルギン酸Na、リン酸Caなども含まれた。物性測定では、破断応力、破断エネルギーやかたさなどは麺中心温度26℃は60℃の1.3~2倍になった。また調理方法が異なるD,E,Gはやわらかく、冷凍タイプのFはかたい傾向だった。その他は小麦タンパク質の添加、または主材料や製法による差と考えられた。