日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: B1p-20
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ポスター発表
圧力鍋によるじゃがいも煮物の調理特性
*長尾 綾子池内 ますみ奥田 展子澤田 崇子志垣 瞳須谷 和子花? 憲子升井 洋至三浦 さつき水野 千恵山下 英代山本 由美
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抄録

【〈B〉目的〈/B〉】近年、無水鍋や圧力鍋を用いて加熱時間を短縮して電気・ガス代の節約をするエコ調理が注目をあびている。これまで炊飯や大豆加熱に圧力鍋を用いた報告はあるが、煮物に関する報告は少ない。本研究では、圧力鍋によるじゃがいも煮物の調理特性を検討した。〈BR〉【〈B〉方法〈/B〉】試料のじゃがいもは、北海道産のメークインを用い、直径38mm、高さ30mmの円柱型に調製し14個で500gとした。煮汁は、水と醤油を合わせて600mLとし、醤油量をじゃがいも重量の0、0.5、1.0、1.5、2.0%塩分となるよう調整した。圧力鍋は、4.5Lのステンレス製鍋(内径22cm、岩谷産業 フィスラー(株)製、11-633-04)を用い、対照は圧力を加えない普通鍋としてガラス製の蓋を使用した。加熱は、100VのIH調理器(ナショナル製、KZ-p8)を用いた。じゃがいも煮物と煮汁の温度、煮汁の蒸発量、色(表面、横断面、縦断面)、塩分(じゃがいも煮物、煮汁)、硬さについて測定し、官能評価も行った。〈BR〉【〈B〉結果〈/B〉】じゃがいも煮物が同程度の硬さになるのに要する加熱時間は、圧力鍋は約10分、普通鍋は約25分であった。煮あがったじゃがいも煮物の中心温度はいずれも約99℃であった。じゃがいも煮物の重量に大差はなかったが、圧力鍋の煮汁蒸発量は普通鍋の半分であった。じゃがいも煮物表面の色は差がなかった。じゃがいも煮物の塩分は、同濃度では圧力鍋が低かった。官能評価の総合評価で高点数を得た添加塩分は、圧力鍋1.5%、普通鍋1.0%であった。

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