日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: C1a-10
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ポスター発表
行事食と調理技術の意識に関する研究
*高橋  ひとみ山口 真由
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キーワード: 行事食, 調理技術, 調理頻度
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抄録

[目的]女性の就業構造の変化や核家族の増加は、外食、中食の増加など家庭での食事作りに変化を及ぼした。本研究は将来、家庭の食事作りを担う18~20歳の女子学生の調理技術、行事食の意識や状況を調べ、10年前、5年前と比較し、差異がみられるか検討を行った。 [方法]18~20歳の女子学生を対象として、平成10年、18年、20年、23年に実施した。アンケートの内容は家庭での行事食の実施状況、調理頻度、調理技術が身についているか等の意識調査、料理に対する自信について質問した。 [結果]平成10年、20年度ともに1番作られている行事食は、雑煮であった。七草は平成10年では作った者の割合が39%だったのに対して20年では24%と作る者の割合が減少した。一方、クリスマスや誕生日は定着してきており、微増している。行事食を伝承していきたいかという問いに対して「伝承したい」と考えている者の割合が平成10年では45.1%に対し、20年では86.6%と増加が認められた。これは食育に興味がある者の割合が平成20年の調査で85.0%と高いことも一因と考えられる。  また、平成18年と23年で調理技術の比較を行った結果、かつおだしや昆布のだしがとれると答えた者の割合が減少した。料理に対する意識と調理可能な料理の相関を求めたところ、料理への自信と肉じゃが、ハンバーグに相関が認められた。料理に自信があるかの問いに5年前に比べ「やや自信がある」者の割合が減り、「自信がない」「あまりない」者の割合が増えた。家庭で調理頻度も減少しており、調理頻度の減少が料理への自信、技術の低下に起因しているものと推測され、効率的な教育が必要と推測される。

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