日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: C1a-11
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ポスター発表
とろみ調整食品の物性とLine Spread Testによる評価
*杉山 美里中山 優子
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キーワード: LST法, テクスチャー, 増粘剤
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抄録

【目的】Line Spread Test法をとろみ調整食品で調整した粘稠溶液の物性の簡易評価に用いることができるかどうかを検証するために、Line Spread Test一部改変法(シリンジ法)とかたさ(応力)(N/m2)、付着性(J/m3)の関係を解析した。 【方法】Line Spread Test :溶液のとろみの程度の簡易測定方法で、とろみ液が一定時間内に広がった距離の測定値の値を目安とする。 代表的な市販増粘多糖類系とろみ調整食品を蒸留水に1%、2%、3%濃度で溶解して調整した試料のシリンジ法測定値とかたさ(応力)(N/m2)、付着性(J/m3)の関係を解析した。 増粘多糖類系とろみ調整食品を蒸留水に1%、2%、3%濃度で溶解して調整した試料を溶解時、5分、10分、20分、30分、40分、50分、60分と静置した粘稠溶液を試料とし測定時間との関係を解析した。 テクスチャー特性の測定は、厚生労働省が定めたえん下障害者用食品基準に基づく。 【結果・考察】1.Line Spread Test測定値とかたさ(応力)(N/m2)の関係を回帰分析の結果:とろみ調整食品の濃度に関係なく、Line Spread Testとかたさ(応力)(N/m2)に直線的な相関関係(r=0.85 P<0.01)。 2.Line Spread Test測定値と付着性(J/m3)の関係を回帰分析の結果:とろみ調整食品の濃度に関係なく、Line Spread Testと付着性(J/m3)に直線的な相関関係(r=0.84 P<0.01)。 3.測定時間ととろみ調整食品濃度の関係を重回帰分析の結果:1%、2%濃度溶液ではすみやかにかたさ(応力)(N/m2)は不変、3%濃度溶液でかたさ(応力)(N/m2)の変化(r=0.90)。付着性(J/m3)では2%濃度溶液に変化(r=0.91) 。 Line Spread Test法は現場における「とろみ」調整の指標として有効なツールと考える。今後、様々なとろみ調整食品溶液の物性とLine Spread Test法による評価をする。

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