日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-45
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ポスター発表
地域資源供与鶏卵の卵質評価と商品化
*山澤 和子後藤 徳彦棚橋 亜矢子山澤 広之木村 孝子高山 侑樹
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抄録

目 的
 現在、畜産農家は輸入飼料の価格高騰により実収入激減という経営危機に直面している。一方、農地には離農者の増加や農業従事者の高齢化等によって休耕田や耕作放棄地の活用が求められている。G県では、飼料用輸入トウモロコシの代替に休耕田等で生産した飼料米や地域特産食品の廃棄部分を採卵鶏の飼料に活用する取組を試験的に実施している。本報告は、この取組での生産卵の商品化の可能性を卵黄色および呈味性の特徴から検討した。
方 法
 試験卵は、飼料米(籾米)飼料区(R区)および籾米に柿果皮添加飼料区(5%添加:K5区、10%添加:K10区)で飼育した採卵鶏(各区10羽)が産卵したものを用いた。試験卵の卵黄色はL・a・b値を測定した。呈味性の特徴は卵料理の官能検査によった。
結 果
 試験卵の卵黄色は、R区卵でK5区およびK10区卵に比し、L値が最高値、a値およびb値が顕著な低値であった。スクランブルエッグによる官能検査では、料理の色はK10区卵がR区卵に比し有意に好まれた。外観・食感・風味・美味しさの項目は両区卵に顕著な差は認められなかった。これらから、採卵鶏の飼料として輸入トウモロコシの代替に籾米供与およびこれに10%柿果皮粉末添加供与の卵は各々の卵黄色の特徴をいかした地域特産卵として商品化できる可能性を推察した。(本研究は平成23年度岐阜県研究開発財団の助成を受け実施したものである。)

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© 2012 日本調理科学会
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