日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a2
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口頭発表
保育所の給食を提供する立場からみた課題
-2004年岩手県I市における調査-
*髙橋 秀子
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キーワード: 給食, 嗜好, 調理担当者, 保育所
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抄録
目的 保育所は乳幼児の養護と教育をする場であり、食事は乳幼児の順調な発達・発育には欠かせないもので、子どもの状況に応じて考慮する必要がある。また、2004(平成16)年からは、保育所での食育の実践が求められている。保育所の調理の現場では、幅広い年齢の乳幼児へ給食を提供しなければならない。乳幼児の発育には、食品あるいは献立に対して偏った嗜好性が発生しないことが望ましい。乳幼児の給食の嗜好の傾向を調査し、栄養士および調理員の改善努力の状況をまとめ、課題をまとめた。
方法 調査は、2004(平成16)年6月に実施した。岩手県I市に設置されていた保育所15所を対象に自由記述の設問(一部選択の設問を含む)の調査用紙を郵送し、回答を依頼した。回答者は、調理を担当する栄養士または調理員等の職員とした。給食について、「昼食は給食か弁当か」(選択による回答)、「開始時刻」、「好まれる献立」(選択による複数回答)、「好まれる献立の具体例」(5例程度の記述回答)、「好まれない献立の具体例とその理由」(5例程度の記述回答)、「献立を立てる際に気をつけていること」(記述回答)、「給食を実施する際に困っていること」(記述回答)の7項目の質問をした。
結果 乳幼児では煮物類が好まれ、年齢が上がるにつれて肉料理が好まれていた。食べ物の嗜好は年齢の低い時期からあらわれることがわかった。調理担当者は、0歳児には離乳食として適切なものを、1から2歳児には食体験を増やすことを、3から4歳児に栄養バランスよく好き嫌いの生じないように給食の配慮をしていた。乳幼児への栄養指導には、調理担当者を含めた保育所と家庭が連携することが必要である。
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© 2012 日本調理科学会
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